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ぐこうろく
ふと目にした映画の広告で原作小説に興味を持ったので、読んでみやんした。(・∀・)

ちょいネタバレありかも。

愚行録



夫婦共に一流大学を卒業し、大手企業に勤める夫、美人で完璧な妻、躾の行き届いた子供達、そして新築一戸建てに引っ越したばかりという絵に描いた様に理想的で幸せな一家が惨殺されるという事件が起こった。

犯人像すら掴めぬまま捜査が難航して一年が過ぎた頃、一人のルポライターが一家を知る人々に取材を開始する。

近所に住む人、ママ友、夫の同僚、大学の同窓生、元恋人。一家を殺した犯人は誰なのか・・・。

という様なストーリー。


「人間の愚かさ」がテーマらしく、一見完璧に見えた夫婦の本当の人物像のみならず、被害者を語る人々の愚かさまで浮き彫りになるという内容。

しかし殺人や虐待、ストーカー行為は別格として、登場人物達の利己的で他人に配慮のない言動は愚かと言われればその通りなのですが、誰もがごく自然にやっている「普通」の行為の様に思えるので、愚行とはドロドロとして生々しい人間らしさとも言えるのかもしれないな~と思ったり。(*´д`*)

「別格」に思える物も、普通にやっている愚かさ、強いエゴの延長線上にあるだけの特別な物ではないのかもしれませんが。

夫の同僚が語る、人間は常に上だ下だと周りと比較して妬んだり馬鹿にしたり、自分の生活がかかると豹変したりエゴの強さが出てくる、という話がこの作品の「愚行」の大部分を表している気がしますね。

あと、「他人を評価して語る」行為の難しさも感じました。

人は家族、友人、恋人など、他人との関係性によって見せる面が違いますし、付き合いの長さや深さによっても違ってくると思います。

まぁどんな関係性でも長く・深くなれば、結局その人の本質的な部分が見えてくるのかもしれませんが、普通はその人の一部分、表面的な部分しか見えてないのかもなぁと。

正確な人となりを語りたいのなら、語る側に観察力や洞察力、心理分析力、人付き合いの経験などなどの能力が必要となってくるわけで。

さらに巻末に書評家の方も書いてますが、「何かを評価して語る」事は自分というフィルタ(主観)を通して自分の考え方や人間性を同時に語っている事でもある、という怖さも感じますね。

登場人物達と同じく、自分の愚かさが浮き彫りにされちゃう。こわーい。(*´д`*)

むーずかしっすね~。

ちなみに最後にちゃんと犯人はわかりますし、あっと驚く感じでしたが、普通の推理物の流れとは違うのでその点は注意が必要。だけどsiestaにとっては期待通りの内容で満足でした。(・∀・)

しょんな感じで。


映画も観たくなったものの、上映スケジュールが終わりかけで極端な時間帯にしかやってないのでレンタルでいっか~ってなったsiestaデシタ。(・∀・)  アサバンハサムイ!
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2017/03/23 | Comments(0) | 本・漫画

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